MMC材とは
MMC材(Metal Matrix Composite:金属基複合材)とは、金属マトリックス(母材)に強化材料を複合させた材料です。弊社では母材にアルミニウム、強化材にSiC(炭化珪素)を使用した高剛性アルミニウム複合材(Al-SiC複合材 ※以下MMC材)を取り扱っております。
世の中に多種の複合材料がありますが、共通して、強度の高い強化材(コンクリートに例えると骨材)を母材が強固に結合することにより複合材料の強度が発揮されます。
弊社取り扱いのMMC材においてもアルミニウム(母材)の軽量・耐蝕性、SiC(強化材)の高硬度・高剛性をあわせもった 軽量・高剛性 を実現しております。
MMC材の用途
弊社取り扱いのMMC材は、液晶パネル製造装置、半導体製造装置、工作機械、検査装置等の部品として多く採用していただいております。
MMC材の特徴である、軽量・高剛性・高減衰性を活かし、機械・装置内で、高速駆動する部位に採用していただき、機械・装置の高速・高加速度化、高機能化に貢献しております。
最近では、航空機部品を切削加工する大型の工作機械においても機械の高速化がすすんでおり、広く採用していただいております。
また、本素材は、自動車業界にも世界的に注目されており、車両の軽量化のため、足回りの部品への採用を視野に研究されております。
弊社取り扱いのMMC材
デュラルキャン
デュラルキャンとは、カナダにある世界的アルミニウムメーカー リオ・ティント・アルキャン社が提供するMMC材インゴット
の商標です。
母材のアルミニウムに対して、SiCが体積比で 20%・30%複合された素材があります。
国内でも自動車メーカーが注目している素材です。
弊社ではAl-20vol%SiC、Al-30vol%SiC ともに取り扱っております。
鋳造、一部鍛造にて 素形材を製作しております。
AKS-50・AKS-60
弊社にて、インゴット製作より手掛けている SiCが体積比で 50%・60%複合された素材です。
SiCの複合比率が高くなると成形性があまりよくないこともあり、特殊な鋳造方法にて素形材を製作しております。
デュラルキャンに比べ、機械的性質が向上された素材になりますが、成形の自由度が低い素材です。
MMC材の機械的性質
材料特性
項目 | デュラルキャン 20vol% |
デュラルキャン 30vol% |
AKS-50 50vol% |
AKS-60 60vol% |
FC300 | AC4C |
---|---|---|---|---|---|---|
熱膨張係数(ppm/℃) 50~100℃ |
17.5 | 14.4 | 10.4 | 9.4 | 9.8 | 22.5 |
密度 (g / cm³) |
2.77 | 2.78 | 2.93 | 2.97 | 7.25 | 7.71 |
引張り強度 (MPa) |
230 | 371 | – | – | 300 | 196 |
ヤング率 (GPa) |
97 | 125 | 167 | 201 | 133 | 71 |
ポアソン比 | 0.3 | 0.29 | 0.27 | 0.25 | 0.26 | 0.33 |
比熱 [J/(g・K)] |
0.84 | 0.82 | 0.85 | 0.81 | 0.52 | 0.88 |
熱伝導率 [W/(m・K)] |
184 | 150 | 170 | 203 | 53 | 159 |
硬度 (HRB) |
80 | 90 | 100 | – | 103 | 61 |
※ デュラルキャン20%・デュラルキャン30%・AC4CはT6処理後の値
※ 工法(砂型鋳造・特殊鋳造・熱間鋳造)により対応可否もございます。
ご検討の際には、要求事項をお聞かせくださいますようにお願い申し上げます。
材料特性
※ デュラルキャンはMMC20%材となります。
採用していただくにあたっての検討段階から、提案させていただきます。
是非、お気軽にお声お掛けください。